事業活動に伴う環境リスクを把握し、リスク低減活動を実施するとともに、日常の管理手順を定め、適切な管理を実施します。また、環境監査等の活動を通じて、法令遵守の徹底や環境管理の強化に継続して取り組みます。
マネジメント体制はこちらを参照ください。
当社グループの2021~2023年度の中期経営計画期間中での目標は、以下の2つとしています。
2021年の実績は、国内の非生産事業所を含むグループの全事業所に対し書面による環境監査を実施し、生産事業所11カ所に対し現地環境監査を行い、管理状況を確認しました。海外のグループ会社においては、定期的に現地環境監査を実施しており、2021年度はシンガポール・中国のグループ会社について実施しました。
社内事業所及び国内グループ会社では、大気の規制値超過が1件、水質の規制値超過が5件発生しましたが、自ら発見し、所管行政に速やかに報告を行うとともに、是正処置を実施しました。なお、罰金・罰則の適用はありませんでした。
海外グループ会社では、大気の規制値超過等が2件、水質の規制値超過が1件発生しました。そのうち、大気の1件については、3万元(日本円で約50万円)の罰金の適用を受けました。
当社グループはISO14001等の環境マネジメントシステム(EMS)を導入し、PDCAサイクルを通じて、環境管理の強化を図っています。当社では全11事業所(藤沢事業所・茨木工場・西条工場・福知山工場は統一認証)及びエンジニアリング事業部門で認証を取得し、このほか国内グループ会社17事業所、海外グループ会社12社が認証を取得しています。主要な生産事業所全45事業所における環境マネジメントシステムの取得比率は89%となっています。
*EA21(エコアクション21):環境省が策定した認証・登録制度でISO14001をベースにより取り組みやすくした環境マネジメントシステム
また、各事業所では緊急事態発生時の手順を定め、 緊急事態を想定した訓練を定期的に実施しています。訓練後は反省会等で課題を抽出し、対応力の強化を図っています。
社内及び国内グループ会社全事業所を対象に毎年、法令遵守状況を確認するため、事業所毎のリスクに応じたチェックリストを用いた書面監査を実施しています。
また、環境リスクの高い社内12事業所、国内グループ会社18社27事業所(2021年4月時点)に対しては定期的に現地環境監査を実施しています。現地環境監査では、測定記録や各種届出等の書類の確認のほか、廃棄物の保管状況等現場の確認や担当者へのヒアリングも実施するなど、厳しいチェックを行っています。
2021年度実施実績
環境マネジメントシステムの導入等、海外においても国内の事業所・グループ会社と同様の環境管理体制を整備しています。それに加えて、当社の各事業部門と海外事業所が密に情報共有して、更なる環境管理の強化を図っています。
その中でも、多くのグループ生産事業所を有するアメリカ、中国においては、それぞれ統括会社であるKobe Steel USA Inc.、神鋼投資有限公司に現地法令を熟知した環境担当者を配置し、各社の支援やリスク低減のための活動を実施しています。
当社グループは、海外事業所に対して2~5年に1回の頻度で定期的に現地環境監査を実施しています。その際、現地法令を熟知した統括会社の環境管理者もしくは現地コンサルタントを活用して、法令遵守状況の確認及びリスク低減のための指導・助言を行っています。
現地環境監査の対象としている海外グループ会社数は、アメリカ7社、中国10社、中国を除くアジア14社、ヨーロッパ1社の合計32社です。現地環境監査では、環境管理状況の実態把握と問題点の抽出を現地監査で行い、その結果をもとに必要な是正措置を行います。
2021年度は、中国2社、シンガポール1社の3社の現地監査のみを実施しました。今後も引き続き、海外事業所の環境管理を強化するための取組みを実施します。
当社グループでは、設備投資案件について各事業所で環境法令や環境リスクをチェックする体制を整備しています。さらに、高額の投資案件については本社側でもダブルチェックする「環境チェックリスト」制度を運用しています。
例えば、土壌汚染防止のために化学品タンクを原則地下に設置しない、あるいは近傍に排水溝がある場合は、確実な漏洩対策を講じているかなどを確認しています。
省エネルギー、かつ働きやすい職場環境づくりを目的としたエコオフィス活動や、全社員が環境に配慮した行動が行えるような環境教育・学習の継続により、環境マインドの向上を図る。
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当社グループの2021~2023年度の中期経営計画期間中の目標は、階層別教育、eラーニング、グループ会社への環境教育等を継続し、環境意識の啓発を行い、またコベルコ エコライフ ノートへの参加を奨励し、環境意識啓発を図ることとしています。
2021年度は、KOBELCOグループ環境会議、階層別教育、eラーニングにより、社員の環境意識、知識の向上を図りました。 またコベルコ エコライフ ノートにより、家庭における環境意識啓発を図りました。
環境情報の共有化、環境への取り組みの横展開等を図ることを目的に、毎年「KOBELCOグループ環境会議」を開催して います。2021年度は当社グループのカーボンニュートラル戦略について着実に進めていくこと、各事業所での環境負荷低減やリスク低減等 の有益な活動事例、法令改正内容の確認等を行いました。
2006年度から環境教育・学習を階層別(事業所の職制ごと)の教育に織り込み、継続的に実施しています。また、イントラネットを利用したe-ラーニングを定期的に行っています。
2021年度に実施した階層別の教育では環境法令遵守に環境経営や当社が掲げる「2050年カーボンニュートラルへの挑戦」の内容を加え、環境意識を高める教育を実施しました。
各グループ会社の環境管理担当者のレベルアップや、最新の環境関連法令等の情報共有を目的として、アメリカ、中国では、定期的に環境管理担当者を対象とした環境セミナーや環境交流会を実施しています。また、海外赴任予定者に対して環境リスクに対する感性を養成し、現地法令の遵守、環境トラブルの未然防止を目的とした環境赴任前教育を実施しています。
環境管理の取組み強化や環境意識の向上を図るべく、公害防止管理者やエネルギー管理士等の資格取得を推進しています。
2021年度 環境関連有資格者数((株)神戸製鋼所)
資格 | 有資格者数 |
---|---|
公害防止管理者(大気関係) | 294 |
公害防止管理者(水質関係) | 232 |
公害防止管理者(騒音・振動関係) | 193 |
公害防止管理者(粉じん関係) | 53 |
公害防止管理者(ダイオキシン関係) | 67 |
公害防止主任管理者 | 5 |
エネルギー管理士 | 264 |
環境計量士 | 20 |
当社グループは、環境経営に関わる活動をステークホルダーの皆様に正しくお伝えするために、環境情報を積極的に公開しています。事業所においては、地域の皆様との対話を定期的に実施するなど、環境コミュニケーションにも取り組んでいます。
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当社グループの2021~2023年度の中期経営計画期間中の目標は、情報開示を継続し、あらゆるステークホルダーとコミュニケーションを図ることとしています。
2021年度は、統合報告書、ホームページ、情報公開モニター等により環境情報を引き続き公開しました。各種展示会に出展し、当社グループの環境関連技術・製品の紹介を行いました。
重要な非財務情報として、環境関連情報を開示しています。
環境保全の取り組みをご理解いただくために、加古川製鉄所、神戸線条工場・神戸発電所において地域の皆様への説明会を定期的に実施しています(2021年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、神戸線条工場・神戸発電所での説明会は中止としました)。
また、環境に関するお問い合わせ窓口として、加古川製鉄所と神戸線条工場に環境フリーダイヤルを開設しています。今後も皆様の一つひとつのご意見に耳を傾けていきます。
加古川製鉄所および神戸線条工場(神戸発電所含む)では、製鉄所のばい煙排出量などの環境情報を、各地に設置したモニターを通じてリアルタイムで公開しています。
情報公開モニター設置場所 | |
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加古川製鉄所環境情報 | 加古川市役所、播磨町役場 別府公民館、尾上公民館 |
神戸線条工場環境情報 (神戸発電所含む) |
灘浜サイエンススクエア 灘浜ガーデンバーデン |
当社グループは、環境保全活動に継続的に取り組みます。
環境保全活動に関わる費用と効果を把握し、ステークホルダーの皆様に当社の取組みについてより理解を深めていただくため、情報の開示を継続します。
当社では、環境負荷低減のために環境対策設備の新設や維持管理等に継続して投資を行い、様々な面から環境対策を進めています。
2021年度は、CO2排出量の削減や大気汚染・水質汚濁の防止等を目的に約6.5億円を投資しました。また、2021年度の環境関連の設備投資及び経費の合計は約360億円でした。
技術開発では鉄鋼・アルミ・溶接材料を有する当社の強みを発揮し、最先端ハイテン・アルミの素材競争力とソリューション技術を合わせた自動車軽量化への提案に取り組む等、研究・開発に総費用額の約29%にあたる約103億円を投じています。そのうち気候変動に関する研究開発費としては約48億円を投じました。
今後も、環境保全に関わる対策を継続的に実施していきます。
(億円)
項目 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |||||
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設備 投資額 |
費用額 (経費) |
設備 投資額 |
費用額 (経費) |
設備 投資額 |
費用額 (経費) |
|||
事業エリア内 | 公害防止 | 大気汚染防止 | 0.8 | 95.4 | 2.1 | 76.1 | 2.2 | 90.9 |
水質汚濁防止 | 6.2 | 49.4 | 2.1 | 39.4 | 0.8 | 46.6 | ||
資源循環 | 廃棄物リサイクル・処理費、歩留向上 | 0.1 | 90.3 | 0.1 | 89.5 | - | 94 | |
地球環境保全 | 省エネルギー投資等 | 32.1 | - | 12.3 | - | 3.5 | - | |
管理活動 | EMS登録・更新等 | - | 0.5 | - | 0.4 | - | 0.4 | |
環境負荷の監視測定 | - | 3.0 | - | 2.5 | - | 2.8 | ||
環境対策組織の人件費 | - | 20.2 | - | 18.8 | - | 19.3 | ||
研究・開発 | エコプロダクツ・製造プロセスの環境負荷低減開発 | - | 93.9 | - | 89.6 | - | 102.6 | |
内、気候変動関連の研究開発 | - | 57.7 | - | 45.1 | - | 47.6 | ||
社会活動 | 環境団体支援、広告 | - | 0.1 | - | 0.1 | - | 0.1 | |
その他 | 汚染負荷量賦課金 | - | 3.2 | - | 3.0 | - | 2.8 | |
合計 | 39.2 | 356 | 16.6 | 319 | 6.5 | 360 |