調達

目次

1. CSR調達基本方針

(CSR調達基本方針の目次)

調達基本方針

※以下の内容は『CSR調達基本方針』の「1. 基本的な考え方」にも記載。

当社の調達部署は、次の調達基本方針に基づき活動してまいります。

法令その他の社会的規範の遵守

購買業務を行うに当たっては、国内外の関係する法令等・社会的規範・社内規程を遵守する。

調達担当者は、いかなる取引先とも個人的な利害関係を持たない。

市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは、一切の関係を遮断し、違法・不当な要求には応じない。

公平・公正な取引

購買業務を行うに当たっては、国内外問わず広く門戸を開放し、品質・納期・価格等合理的な基準に基づいて行う。

調達を通じた地球環境との共存

購買業務を行うに当たっては、社会情勢および社会的要請に留意し、環境保全、資源保護等に十分配慮する。

取引先とのパートナシップの強化

取引先をパートナーと位置付け、信頼関係を築くことで、お互いの発展を目指していく。

機密情報の管理

購買業務を通じて知り得た情報や個人情報を厳格に管理し、許容された目的の範囲外には使用しない。

お取引先様へのお願い

※以下の内容(解説部分は除く)は、『CSR調達基本方針』の「3. 対応方針>(1)お取引先様へのお願い」にも記載。

神戸製鋼所は、安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界を目指し、ビジネスパートナーであるお取引先の皆様と社会的責任意識を共有し、サステナビリティ経営に関する以下の取り組みをサプライチェーン全体で推進していきたいと考えております。

お取引先の皆様には、本取り組みへのご賛同並びにご協力をお願い申し上げます。

1 法令遵守

(1-1)法令遵守

自国および事業を行う国/地域の適用される法規制を遵守します。

2 人権・労働

関連法規制を遵守することのみならず、国際的な人権基準を参照し、労働者の人権を尊重します。

【解説】

「労働者」とは、正社員、臨時社員、契約社員、直接雇用者およびその他の就労形態の労働者を含め、すべての雇用・就労形態によらず働く者を指します。

参照すべき国際的な人権基準には、国連における「世界人権宣言」や「国際人権規約」などがあります。

(2-1)強制的な労働の禁止

強制、拘束、搾取的囚人労働、奴隷制または人身売買によって得られた労働力を用いません。

また、すべての就業を強制することなく、労働者の離職や雇用を自ら終了する権利を守ります。

【解説】

強制労働とは、ある者が懲罰などの脅しの下で、かつ、本人の自由意思に反して行う(非自発的)労働を指します。強制労働の要素には、以下のようなものがあります。

①脅威と脅し(例:労働者が退職を申し出た際、罰金を要求される。)

②給料の保持(例:給与の一部を雇用者が強制的に保管・貯蓄。)

③債務による拘束(例:労働者が高額の採用手数料を支払うために借金をしている。)

④過度の残業(例:法定または労使協定以上の残業をさせている。)

⑤身体的・精神的虐待(例:暴力、怒鳴る、セクハラ。)

⑥移動の禁止(例:安全衛生・情報セキュリティなどの理由なく移動を制限する。)

拘束または拘留労働とは、自由に離職することができない労働を指します。これには、労働者が高額の採用手数料を支払うため借金を負い、それを返済するまで離職できない状態である債務による拘束も含まれます。

搾取的とは、優越的地位を利用して不公平な処遇を行うことを指し、搾取的囚人労働とは、囚人に労働をさせ、適正な賃金を支払わない状況を指します。

奴隷労働とは、米国国務省によると、現代奴隷という、強制労働や性的搾取のための人身取引などを包含する言葉として定義されています。英国現代奴隷法では、弱い立場の人が強制労働の下で不当に搾取されている状態として定義されています。

(2-2)児童労働の禁止、若年労働者への配慮

最低就業年齢に満たない児童に労働をさせません。

また、18歳未満の若年労働者を夜勤や残業など、健康や安全が損なわれる可能性のある危険業務に従事させません。

【解説】

児童労働とは、その性質や遂行状況により、若年者の知的、身体的、社会的、道徳的発達に害悪をもたらし、就学を不可能にしたり、学校中退を余儀なくしたり、仕事と勉強の両立を強いたりすることで、児童の教育機会や健全な成長を損なう活動または労務を指します。

最低就業年齢とは、ILO第138号条約(1973年)では、雇用または就業の最低年齢が義務教育を修了する年齢を下回ってはならず、いかなる場合にも15歳を下回らないよう定められています(移行期間として、経済と教育機関の発展が不十分な開発途上国では、14 歳を最低就業年齢と定めることができます。)。また労働の種類によっても就業可能な年齢は異なります。危険有害な業務については、すべての国が18歳を最低就業年齢としなければなりません。しかし、以下に該当する場合は、このような業務に16歳から従事することができます。

  • 国内の労使団体と事前の協議が行われ、
  • 若年者の安全、健康および道徳が十分に保護され、かつ
  • 当該活動分野で十分な具体的教育または職業訓練を受けていること。

危険業務とは、以下を指します。

  • 坑内、水中、危険な高所または限られた空間で行われる業務
  • 危険な機械、設備および工具を用いる業務または重量物の手動による取扱い若しくは運搬を伴う業務
  • 不健康な環境で行われる業務(例えば、危険な物質、因子若しくは工程、または児童の健康を損ねるような温度、騒音水準、若しくは振動に児童をさらすようなもの)
  • 長時間の業務、夜間の業務または児童が不当に使用者の敷地に拘束される業務のような特に困難な条件の下での業務
(2-3)労働時間への配慮

労働者の働く地域の法規制上定められている限度を超えて労働させず、労働者の労働時間・休日を適切に管理します。

【解説】

適切な管理とは、以下を指します。

  • 年間所定労働日数が法定限度を超えないこと
  • 超過勤務時間を含めた1週間当たりの労働時間(ただし、災害その他の避けることのできない緊急時、非常時を除く)が法定限度を超えないこと
  • 法令に定められた年次有給休暇、産前産後休暇、育児休暇の権利を与えること
  • 法令に定められた休憩時間を与えること
  • 労働者の健康を守るために身体的並びに精神的な健康診断を行うこと
(2-4)適切な賃金と手当

労働者に支払われる報酬(最低賃金、残業代、および法的に義務付けられた手当や賃金控除を含む)に、適用されるすべての法規制を遵守します。

【解説】

最低賃金とは、所在国における賃金関連法令で定められた最低の賃金を指します。これを所在国の法令に基づき、遅滞なく適切な時期に労働者に支払う必要があります。

不当な賃金控除とは、労働関連法令などに違反する賃金控除を指します。例えば、作業服代、業務に必要な個人保護具代、制服のクリーニング代などが該当します。ただし、遅刻や欠勤などを理由とする、働いていない時間に相当する不払いは含まれません。

(2-5)非人道的な扱いの禁止

労働者の人権を尊重し、精神的・肉体的な虐待、強制、ハラスメントなどの非人道的な扱い、並びにそのような可能性のある行為を労働者に行いません。

【解説】

精神的な虐待とは、例えば、非人道的な表現や嫌がらせ、無視、自尊心を傷つける言葉などにより、他者に心理的に暴力をふるうことで、精神と感情に弊害を与えることを指します。

肉体的な虐待とは、暴力や、過酷な環境下での作業などを指します。

強制とは、脅しなどにより、無理に本人の希望しない行為をやらせることを指します。例えば、残業を無理強いすることなどが挙げられます。

ハラスメントとは、例えばセクシュアルハラスメントについて、男女雇用機会均等法で「職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受けること、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されること」と定義されています。またパワーハラスメントについては、厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」では、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義されています。

(2-6)差別の禁止

差別およびハラスメントを行いません。

また、労働者からの宗教上の慣習に関わる要望に対して、適切な範囲で配慮します。

【解説】

賃金、昇進、報酬、教育、採用や雇用慣行において、人種、信条、肌の色、宗教、国籍、言語、民族、性別、性的指向、性自認、婚姻状態、年齢、身体的特徴、疾病、障がいの有無、社会的身分、財産、出身地などによる差別につながる可能性のある行為があってはなりません。

なお、健康診断や妊娠検査が機会均等または処遇における公平を損なう場合には差別的行為となります。

差別待遇の原因は多種多様です。

人種と肌の色:
特定の民族集団への帰属を理由とする差別で、少数民族や先住民、部族民等が標的とされるもの。
性:
男女の生物学的特徴や機能、社会的差異を理由とするもの。既婚か未婚か、配偶者関係、家族構成および母性を理由とする差別等もこれに当たる。
宗教:
ある宗教の信徒であることや、宗教的信条の表現を理由とする差別。無神論者に対する差別待遇も含まれる。
政治的見解:
政策に関する見解、ある政党への所属、政治的または社会政治的な姿勢、市民活動または道徳的資質を理由とする差別。
出身地:
出生地や家系、外国の出身を理由とする差別。国民的または言語的少数者、帰化人、外国からの移民の子孫等が標的とされる。
社会的身分:
社会的階級や社会職業的類型、カーストを理由とする差別。
(2-7)結社の自由、団体交渉権

現地の法規制を遵守した上で、労働環境や賃金水準などの労使間協議を実現する手段としての労働者の団結権を尊重します。

【解説】

団体交渉については、ILO第98号条約(1949年)では、企業は、実効性のある団体交渉の発展のために、団体交渉を目的とする労働者代表団体を承認し、使用者側と労働者側との自主的交渉を促進するとともに、労働協約に紛争解決に関する規定を盛り込むよう求められています。具体的な企業行動として、以下の事項が奨励されています。

  • 実効的な労働協約の策定のために必要な便宜を図ること
  • 労働者から正式に委任された代表が、交渉事項に関する意思決定の権限を与えられた経営陣代表と交渉を行うことを可能にすること
  • 交渉に不当な影響を与えること又は団結権の行使を妨げることを目的として、脅し又は報復の示唆をしないこと
  • 有意義な交渉のために必要な情報を提供すること

3 安全衛生

関連法規制を守るのみならず、ILOの安全衛生ガイドラインなどに留意し、労働者の業務に伴う怪我や心身の病気を最小限に抑え安全で衛生的な作業環境を整える取り組みを行います。

(3-1)労働安全

職務上の安全に対するリスクを特定・評価し、また適切な設計や技術・管理手段をもって安全を確保します。

【解説】

職務上の安全に対するリスクとは、電気その他のエネルギー、火気、乗物・移動物、滑りやすい・つまずき易い床面、落下物などによる、就業中に発生する事故や健康障害の潜在的なリスクを指します。

適切な設計や技術・管理手段とは、

①危険因子の排除または安全なものへの代替、②工学的制御(例:センサによる危険個所の監視、機械や装置に供給される動力源の施錠による遮断(ロックアウト))、③運用での管理(例:動力源の遮断中にエネルギー遮断装置の操作の禁止を明示する札の設置(タグアウト))、④個人保護具の提供(例:保護メガネ・安全帽・手袋などの保護具)、の段階的制御による排除または軽減を指します。

(3-2)緊急時への備え

人命・身体の安全を損なう災害・事故などの緊急事態に備え、発生の可能性も含めて特定し、労働者および資産の被害が最小限となる緊急対策時の行動手順の作成し、必要な設備などを設置し、災害時にその行動がとれるように教育・訓練を行います。

【解説】

緊急対策とは、例えば、緊急時の報告、労働者への通知、避難方法の明確化、避難施設の設置、分かり易く障害物のない出口、適切な退出設備、緊急医療品の備蓄、火災検知システムの設置、消火器・防火扉・スプリンクラーの設置、外部通信手段の確保、復旧計画の整備などを指します。

職場内への周知徹底も必要です。これには、例えば労働者への緊急対応教育(避難訓練を含む)の実施や、緊急時の対応手順書などの職場内で容易に手の届く場所への保管・掲示が挙げられます。

(3-3)労働災害・労働疾病

労働災害および労働疾病の状況を特定・評価・記録・報告し、適切な対策および是正措置を講じます。

【解説】

適切な対策とは、労働者による通報の促進、災害・疾病の分類や記録、必要に応じた治療の提供、災害・疾病の調査、原因排除に向けた是正対策の実行、労働者の職場復帰の促進などを可能にする制度や施策のことを指します。また法令の定めに応じた行政に対する必要な手続きの実施、労災保険への加入なども含まれます。

(3-4)産業衛生

職場において、有害な生物的・化学的・物理的な影響に労働者が曝露するリスクを特定・評価し、適切な管理を行います。

【解説】

有害な影響を与えるものには、毒劇物、放射線、慢性病を引き起こす物質(鉛、アスベストなど)などが含まれます。これらは、煤煙、蒸気、ミスト、粉塵などの状態で存在することもあります。また、騒音や悪臭なども著しい場合には人体に有害なものとみなされます。

適切な管理とは、例えば、管理基準の制定および運用、労働者への適切な教育・訓練や適切な個人保護具の提供などを指します。

(3-5)身体的負荷のかかる作業への配慮

身体的に負荷のかかる作業を特定・評価のうえ、労働災害・労働疾病につながらないよう適切に管理します。

【解説】

身体的に負荷のかかる作業には、手作業による原材料の取り扱い、手動での重量物運搬作業などの重労働のほかにも、力の必要な組み立て作業やデータ入力などの長時間にわたる反復作業・連続作業、長時間の不自然な姿勢による作業などが含まれます。

適切な管理には、人間工学にもとづく作業環境の整備、定期的な小休止、作業補助具の提供、複数作業者での分担や協力などが挙げられます。(人が正しく効率的に動けるように周囲の環境を整えて、事故やミスを少なくすることも考慮することが有用です。)

人間工学とは、人間が可能な限り自然な動きや状態で使えるように物や環境を設計し、実際のデザインに活かす研究分野のことを指します。(人が正しく効率的に動けるように周囲の環境を整えて、事故やミスを少なくすることも含みます。)

(3-6)機械装置の安全対策

労働者が業務上使用する機械装置について安全上のリスクがないか評価し、適切な安全対策を実施します。

【解説】

適切な安全対策とは、就業中に発生する事故や健康障害の防止のための管理を指し、例えば、フェイルセーフ、フールプルーフ、インターロック、タグアウトなどと呼ばれる安全機構の採用、安全装置や防護壁などの設置、機械装置の定期的な検査と保全の実施などが挙げられます。

(3-7)施設の安全衛生

労働者の生活のために提供される施設(寮・食堂・トイレなど)の安全衛生を適切に確保します。

また、寮では、緊急時の適切な非常口を確保します。

【解説】

安全衛生の確保としては、施設の清潔・衛生を保つととともに、以下のような点に留意する必要があります。

飲料水:
法規制に準拠した水質検査、安全な飲料水(ウォーターサーバーなど)
衛生的な食事の提供:
調理人の服装・健康診断、害虫駆除、食品の適温管理、食堂事業の認定証など
トイレ:
人数に対する十分な数の清潔なトイレ施設、トイレットペーパーの提供など
寮:
火災対策、緊急避難路(出口)、個人所持品の安全な保管施設(鍵付きロッカーの提供)、居室の十分な広さ(目安は1人当たり3.3㎡以上)、換気、温度管理、適切な照明など
(3-8)安全衛生のコミュニケーション

労働者が被る可能性のある職務上の様々な危険について、適切な安全衛生情報の教育・訓練を労働者が理解できる言葉・方法で提供します。

また、労働者から安全に関わる意見をフィードバックする仕組みを整備します。

【解説】

労働者が曝露することになるあらゆる特定される職場の危険(機械、電気、化学、火災、および物理的危険を含むがこれに限定されません)について、適切な職場の安全衛生情報と教育・訓練を提供する必要があります。

安全衛生関連の情報は、施設内に明確に掲載されるか、労働者が特定、アクセスできる場所に置かれるものとします。また、労働者の理解できる言語で提供する必要があります。

教育・訓練は、作業の開始前にすべての労働者に、それ以降は定期的に提供する必要があります。

また、労働者側から安全上の懸念を提起することが奨励されます。教育・訓練の項目には、個人保護具の正しい使い方、緊急時対応、機械の安全操作、有害な環境に入る前の準備などが含まれます。

なお、ILO多国籍企業宣言43項では、労使対話に基づく予防文化の醸成に関する記述があります。

(3-9)労働者の健康管理

全ての従業員に対し、適切な健康管理を行います。

【解説】

適切な健康管理とは、少なくとも法令に定める水準において健康診断などを実施し、従業員の疾病の予防と早期発見を図ることを指します。

あわせて過重労働による健康障害の防止やメンタルヘルスなどのケアについても十分に配慮していく必要があります。

4 環境

資源の枯渇や気候変動、環境汚染、生物多様性などの地球環境問題に積極的に取り組むとともに、関係する地域の人々の健康と安全の確保を考慮した地域の環境問題に配慮します。

(4-1)環境許可と報告

事業の所在地の法規制に従い、事業に必要な許認可・承認を取得し、登録・報告を行います。

(4-2)エネルギー消費および温室効果ガスの排出削減

エネルギー効率改善に努め、エネルギー消費量および温室効果ガス排出量の継続的削減活動に取り組みます。

【解説】

温室効果ガスには様々なものがありますが、特に京都議定書で定められた二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、HFC、PFC、SF6の6種類の物質群を指します。

継続的削減活動には、6種類の温室効果ガスに対して、自主的な削減目標を設定し、計画を立案し、確実に実行することが挙げられます。

(4-3)大気への排出

関連する法規制を遵守し、有害な物質の大気への排出を削減するための適切な対策を実施します。

【解説】

大気に放出される有害な物質には、揮発性の有機化合物、エアロゾル、腐食性物質、微粒子、オゾン層破壊物質、燃焼の副生成物などがあります。これらの物質は、排出に先立ち、内容の分析と監視に努め、その結果に基づいて必要な管理や処置を施した後に排出します。対策には、排出する物質の取扱いや処理システムの性能の定期的な監視も含まれます。

(4-4)水の管理

法規制を遵守し、使用する水の水源、使用、排出をモニタリングし、節水します。

あらゆる廃水は、排出または廃棄する前に、必要に応じて特性を示し、監視、制御、処理を実施します。

また、水汚染を発生させる可能性のある汚染源を特定し、適切な管理を行います。

【解説】

水の管理では、水の水源、使用、排出を監視し、節水し、汚染経路を管理する必要があります。

汚染経路の管理には、敷地内水路に汚染がない、汚染から保護されている(例:雨水排水管付近に淀んだ水や油脂の溜まりがない)、緊急事態対応設備などが備わっている(例:工場災害や天災などで上水や下水の漏洩や流出を止めるための遮断弁や止水栓を指し、漏洩やオーバーフローした場合に備えた雨水枡・汚水桝や貯水池だけでは不十分とされる)などが挙げられます。

(4-5)資源の有効活用と廃棄物管理

法規制を遵守し、適切な管理を行うことにより、リデュース(削減)、リユース(再利用)、リサイクル(再資源化)を推進し、資源の有効活用を図り、廃棄物の発生を最低限に抑えます。

【解説】

有害性が特定されていない物質の廃棄であっても、廃棄物を特定・管理し、責任ある廃棄またはリサイクルを行うための体系的なアプローチを実施し、削減に努める必要があります。

物質の廃棄は、事業の所在地の法規制を遵守し、最小限に抑えることで、天然資源を浪費しない対策を講じる必要があります。

これらを実行する手段としては、発生源での生産設備の変更、材料の代替、資源の再利用、リサイクルなどがあります。法規制を遵守するためにも、自主的に目標を定めて活動します。天然資源とは水、化石燃料、鉱物、原生林および原生林の産物などを指します。環境汚染の防止は、天然資源の節約につながり、地球の持続可能性に密接に関係します。

(4-6)化学物質管理

法規制を遵守し、人体や環境に対して危険をもたらす化学物質およびその他の物質は、特定、表示、および管理を行い、安全な取り扱い、移動、保存、使用、リサイクルまたは再利用、および廃棄が確実に実施されるよう管理します。

【解説】

例えば、国内では、化審法、毒劇法、安全衛生法、消防法、PRTRに基づいて管理する必要があります。また、製造工程でも化学物質管理に配慮する必要があります。

(4-7)製品含有化学物質の管理

製品に含まれる特定の物質の使用禁止または制限に関して適用される、すべての法規制および顧客要求を遵守します。

【解説】

製品含有物質については、顧客の要求にも配慮する必要があります。

  • 製品の仕向け国の法規制に従う。
  • 最終的な製品では、製品の中に組み込まれる部品についても責任を持たなくてはならない。したがって上流企業は、下流企業に必要な情報を提供する必要がある。

例えばEUに輸出する場合、関連する法規制には、RoHS指令、REACH規則などが該当します。

また、製造工程で追加・混入・付着する物質についても考慮する必要があります。

5 公正取引・倫理

関係する法令等の遵守のみならず、高い水準の倫理感に基づき事業活動を行います。

(5-1)腐敗防止

あらゆる種類の贈収賄、腐敗、恐喝、および横領などを行いません。

(5-2)不当又は不適切な利益・便益の供与および受領の禁止

不当または不適切な利益を得る手段として提供される利益・便益の収受または収受の約束もしくは要求を容認しません。また、賄賂その他の不当または不適切な利益・便益の提供または提供の約束もしくは申込みは行いません。

(5-3)適切な情報開示

適用される法規制と業界の慣例に従って、労働、安全衛生、品質、環境活動、事業活動、組織構造、財務状況、業績に関する情報を開示します。

記録の改ざんや虚偽の情報開示を容認しません。

(5-4)知的財産の尊重

自社の知的財産は適切に法律上の保護を受けられるよう、権利化・管理いたします。

また、第三者の知的財産は侵害および不正使用しません。

【解説】

知的財産には、知的財産権に加え、営業秘密・技術上のノウハウなどを含みます。

知的財産権は、法令に定められた権利で、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権などが該当します。

(5-5)公正なビジネスの遂行

事業活動において、公正な競争および広告を行います。

【解説】

公正な競争とは、それぞれの国や地域において定められた公正な競争、公正な取引に関する法令等を遵守し、カルテルや談合などの競争制限的合意、不公正な取引方法、不当表示などの違法行為を行わず、公正で自由な競争を推進することを指します。

公正な広告とは、不正な目的や、事実と異なる情報の提供がない広告のことを指します。

(5-6)通報者の保護

通報により知り得た情報を秘密として適切に取り扱い、通報者の匿名性に配慮します。また、通報妨害行為や、通報者に対する不利益な扱いを禁止します。

【解説】

通報とは、自社およびサプライチェーンの不正行為に関する報告または開示を行うことを指します。

不利益な取扱いには、不当な人事考課・報酬・解雇・配置転換などの労働条件の変更や嫌がらせなどを含む就業環境を害する行為等が含まれますが、これらに限られません。

(5-7)紛争鉱物の使用禁止

紛争鉱物の使用の禁止を推進します。

【解説】

紛争鉱物とは、コンゴ民主共和国および隣接国等紛争地域で採掘された、すず、タンタル、タングステン、金、およびコバルト等のことを言います。

紛争鉱物の採掘や取引から得られる利益は、武装勢力や反政府勢力の資金源となっており、そのような地域の鉱物を使用することは、紛争や人権侵害、環境破壊の助長につながる潜在的な可能性があります。

6 品質・安全性

提供する製品やサービスの安全性並びに品質の確保を行い、それらを実施するための品質マネジメントシステムを継続的に改善していきます。

(6-1)製品安全性の確保

世界各国の関係法令や安全基準などを遵守し、それらに適合した商品・サービスの品質と安全性の確保に努めます。

(6-2)品質マネジメントシステムの構築、運用

開発から販売、アフターフォローに至る全てのプロセスにおいて、守るべき基準・手順を明確に定め、確実に実行し、その有効性を確認し、必要に応じて是正措置を講じる等、品質マネジメント体制の構築と継続した改善を進め、品質・安全性に係る管理体制を構築、運用します。

7 情報セキュリティ

機密情報や個人情報の漏洩を防止し、情報セキュリティの強化を図ります。

(7-1)サイバー攻撃に対する防御

サイバー攻撃などからの脅威に対する防御策を講じて、自社および他者に被害が生じないように管理します。

【解説】

サイバー攻撃とは、例えば、標的型メールなどによるマルウェア感染や悪意あるサイトへの誘導などにより、個人情報、顧客情報、取引先情報、機密情報などの営業秘密の流出や、重要ファイルを暗号化されるなどの被害を与える行為を指します。

(7-2)個人情報の保護

サプライヤー、顧客、消費者、従業員など全ての個人情報について、関係する法令等を遵守し、適切に管理・保護します。

【解説】

個人情報とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述などにより特定の個人を識別することができるものを指します(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別できるものを含みます。)。

適切な管理とは、個人情報に関する全般的な管理の仕組みの構築と運用を指し、これには労働者などの遵守すべき規範や方針の作成、それらに従った計画立案、施策実施、監査および見直しを含みます。

適切な保護とは、個人情報を不正または不当に取得、利用、開示または漏洩しないことを指します。

(7-3)機密情報の漏洩防止

自社の機密情報を漏洩から守るための適切な管理を行い、また第三者から受領した機密情報についても、契約条件を遵守したうえで、漏洩から守るための適切な管理を行います。

【解説】

機密情報とは、一般的に、機密である旨が合意されている文書など(電磁的あるいは光学的に記録されたデータ情報を含む)により開示された情報や、機密である旨を告知したうえで口頭にて開示された情報を指します。

適切な管理とは、機密情報に関する全般的な管理の仕組みの構築と運用を指し、労働者などの遵守すべき規範や方針の作成、それらに従った計画立案、施策実施、監査および見直しを含みます。

適切な保護とは、機密情報を不正または不当に取得、利用、開示または漏洩しないことを指します。

8 事業継続計画

大規模自然災害などによって自社もしくは自社の取引先が被災した場合に、自社が供給責任などを果たすために、計画的に生産活動を再開できるよう準備します。

(8-1)事業継続計画の策定と準備

事業継続を阻害するリスクを特定し、事業への影響などの観点をふまえてリスクを評価し、評価したリスクへの対応策を整理し、事業継続計画(BCP)を策定します。

【解説】

事業継続計画(BCP)とは、災害等の発生時において会社の活動を継続していくために必要な基本事項および行動・手順を取りまとめたものです。

9 社会貢献

(9-1)社会・地域への貢献

国際社会・地域社会の発展に貢献できる活動を自主的に行います。

2.「CSR調達基本方針」に関する説明会動画<2022年12月>

(14分15秒)

3. お取引先の皆様への説明動画<2021年9月>

(22分21秒)

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