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高強度・高導電性銅合金 KLF® 170

CDA No.19170 C194の導電率と42アロイの高強度を両立

銅にニッケルおよび燐を添加することで、マトリックス中にニッケル-燐の微細な金属間化合物を形成させて強化した、析出硬化型の合金です。ニッケルおよび燐の含有量を調整することで、高強度と高導電率を両立させました。

特長

  1. 電気および熱伝導が良好です。C194クラスの導電率を有しています。
  2. 高導電性でありながら、42アロイ並みの高強度を実現しています。(質別:ESH)
  3. めっき前処理やエッチング加工でのスマット(晶出物の残渣)の発生がありません。
  4. スタンピング加工性およびエッチング加工性が良好です。
  5. AuワイヤーおよびCuワイヤーのボンディング性に優れます。めっきレスのダイレクトボンディング(ベアボンディング)にも配慮された合金です。
  6. はんだ濡れ性およびめっき性が良好です。Agめっきの突起発生が抑制できます。

化学成分

Cu-0.7Ni-0.13P-0.1Fe-0.1Zn (重量%)

特性

図 KLF170の耐熱性
図 KLF170®の耐熱性

1.物理的性質

比重 8.9
線膨張係数(293~573K) 17.5×10 -6 /K
熱伝導率(293K) 267 W/m・K
体積抵抗率(293K) 26.5 nΩ・m
導電率(293K) 65 %IACS
縦弾性係数(293K) 110 GPa

※上記は代表特性となります。

2.機械的性質

質別 引張強さ
MPa
伸び
硬さ
MHv: 4.9N
SPH 580~680 5以上 170~210
ESH 610~730 5以上 180~220

※上記引張強さと硬さは弊社標準仕様です。仕様に関してはご要望により調整させていただきます。

3.曲げ加工性 90°V曲げ(R/t)

質別 Good Way Bad Way
SPH 0 0
ESH 1.0 2.0

※上記は代表特性となります。板厚により若干値は前後します。


用途

QFP・QFN用リードフレーム、放熱用内部フレームなど

その他

RoHSなどで規制されているカドミウム(Cd)、鉛(Pb)、水銀(Hg)、6価クロム(Cr +6 )、ポリ臭化ビフェニール類(PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)については使用しておりません。

お問い合わせ

株式会社神戸製鋼所 素形材事業部門

銅板ユニット 銅板営業部

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