当社グループは、2002年度より電力供給事業を開始し、地域の電力の安定供給に貢献しています。
現在、兵庫県神戸市に石炭火力発電設備を4基(神戸発電所1~4号機)、栃木県真岡市にガス火力発電設備を2基(真岡発電所1,2号機)保有しています。
神戸発電所 1,2号機(超臨界圧発電)および神戸発電所3,4号機(超々臨界圧発電)は最高水準の環境対策を実施することに加えて、電力需要地に近い都市型発電所として、送電ロスを低減できることから、電源の高効率化・低炭素化に貢献できると考えています。都市部の電力自給率のさらなる向上に役立つとともに、地震・津波に強い発電所計画を行うことで、大都市での電力インフラを強化し、災害に強い街づくりに貢献いたします。
真岡発電所 1,2号機(ガスタービン・コンバインドサイクル発電)は、国内最高レベルの効率で発電しています。また、多くの発電所が立地する臨海部ではなく、津波に遭う危険がない内陸部にあり、リスクの分散効果が期待されることから、内閣官房と経済産業省による国土やエネルギー基盤の強靭化に資する事例に選定されました。
なお、電力事業におきましては、株式会社コベルコパワー神戸および株式会社コベルコパワー神戸第二が運営する神戸発電所を対象に、GXリーグに参画いたしました。
当社は、2050 年カーボンニュートラルに挑戦し、その達成を目指すため、カーボンニュートラルに向けたロードマップを策定いたしました。
神戸発電所においては、発電所の排熱を有効利用した近隣の酒造会社への蒸気供給に加えて、バイオマス燃料(下水汚泥、食品残渣)の混焼やアンモニア混焼などのCO2削減の取組みを強化し、世界最先端の都市型石炭火力発電所を目指します。アンモニア混焼につきましては、混焼率の拡大を進め、最終的には専焼に挑戦いたします。
真岡発電所においては、高効率GTCCによる低CO2発電の安定操業を継続しながら、カーボンニュートラル都市ガスの最大活用を検討しています。
GXリーグ参画企業は中間年度(2023年度から2025年度)および2030年度について、CO2排出目標(必須:総量目標、任意:原単位目標)を設定します。
地球温暖化対策の推進に関する法律において、外部に販売した電力に相当するCO2排出量は企業の排出量から控除されますが、GXリーグにおいては、他者に供給した電気又は熱に伴う温室効果ガスの排出量は、当該電気又は熱を生産した企業の排出量に含めるものとされています。
当社はカーボンニュートラルに向けたロードマップに記載のとおり、2030年度までに石炭火力の高効率化を目指しており、かかる高効率化が達成される前提でCO2排出量を設定しました。
電力事業における基準年度は日本国の目標及び当社グループの他事業の目標と同じく2013年度といたしました。
当社は2021年度に神戸発電所3号機、2022年度に神戸発電所4号機をそれぞれ増設したことにより、基準年度(2013年度)と比較してCO2排出量は増加いたします。神戸発電所3,4号機は、2014年に関西電力株式会社が高経年化への対応等の観点から、中長期的な最新鋭の火力発電所の開発・導入に向けて実施した火力電源の入札募集に応募し、落札された電源であり、当社および関西電力株式会社が適切に対応することで、卸供給先と合わせたCO2排出量は増加しておりません。
当社は電力卸供給を営んでおりますが、CO2排出量の基礎となる年間設備利用率を自社で決定することができないことから、GXリーグ目標については、その契約上の上限値に対応する排出量といたしました。