液化水素用オープンラック式気化器の液化水素を用いた実証試験実施を決定

~水素エネルギーの社会実装に向けて液化水素気化器のラインナップを拡充~

2024年4月12日

株式会社神戸製鋼所

当社は、このたび高砂製作所(兵庫県)において、液化水素用オープンラック式気化器(Open Rack Vaporizer、以下ORV)※1を新たに設置し、気化性能の実証試験(以下、本実証)を2025年3月に開始することを決定しました。大規模液化水素気化器の候補であるORVで実際の液化水素を使用しての実証は、世界的にも先進的な取組みとなります。

本実証は、当社グループが提案する「ハイブリッド型水素ガス供給システム※2」の実証試験を発展させる位置付けとして、液化水素気化器の製品ラインナップを以下3つのタイプへと拡充し、表1に示すように、水素エネルギーの社会実装に向け、様々なニーズや陸上での使用から船舶への搭載といった使用環境での液化水素利用への対応を目指します。

なお、本実証では、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)助成事業※5において、2023年3月末に完了した「液化水素冷熱の利用を可能とする中間媒体式液体水素気化器の開発」の液化水素供給設備を利用することにより、短い準備期間で液化水素用ORVの伝熱挙動や気化性能の確認を実現します。

今後も、当社は水素社会の実装に必要不可欠な気化器の開発および実証を継続し、水素社会の構築に貢献するとともに、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現を目指してまいります。

表1:当社が提案する液化水素気化器の種類と用途別気化量

当社が提案する液化水素気化器の種類

当社が提案する用途別気化量

  • ※1:オープンラック式気化器
    オープンラック式気化器(ORV)は、世界中のLNG受入基地において、海水を熱源とした主力のLNG気化器として使用されており、当社ORVは40年以上の実績と高い信頼性を有しています。これら気化器の設計や製造に関する知見を活かし、今般、多数の伝熱管を並べたパネルの外側に海水を流し、内部の液化水素を気化させる構造の液化水素用ORVを開発しました。

<LNG用ORVイメージ>

<LNG用ORVイメージ>

Base Structure:
コンクリート架構
Deck:
足場
Insulation:
保冷
Panel Block:
パネルブロック(気化器)
Panel Hanging Structure:
天井架構
Seawater Adjustment System:
海水量調整機構
Seawater Distribution Line:
海水供給配管
Trough:
散水トラフ
Wind Breaker:
風防壁

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