KOBELCOグループが提案する液体水素利活用システム 「ハイブリッド型水素ガス供給システム」を用いた水素供給・燃焼試験開始について

~水素社会の実現に向けたトータルソリューションの提供~

2023年9月14日

株式会社神戸製鋼所

当社グループは、2050年のカーボンニュートラル達成に向け、「ハイブリッド型水素ガス供給システム」の実証試験を予定通り2023年3月から当社高砂製作所(兵庫県高砂市)内で開始するとともに、2023年6月より試験用ボイラーへの水素供給による水素燃焼試験において、水素混焼を開始しました。(尚、本システム実証の一部は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下NEDO)による「水素社会構築技術開発事業」における助成事業に採択されています。※1 a,b

当社グループが提案する「ハイブリッド型水素ガス供給システム」は、中小規模の事業者様の水素導入のカギとなる「安定かつ安価な水素づくり」に対するソリューションを提供するもので、当社グループが持つ三つの製品・技術(液化水素から冷熱回収ができる液体水素気化器(IFV)※2、水電解式水素発生装置(HHOG)※3、運転マネジメントシステム※4)より構成されています。

安価・大量のクリーン水素が流通するまでのトランジション期間における水素安定供給と再生可能エネルギーの有効利用の観点では、液化水素と小規模な地産型水素(小規模な再生可能電力由来のクリーンな水電解水素)の併用が重要です。またカーボンニュートラルを推進する上で、液化水素の冷熱を回収し利用することは必須になると考えられます。当社グループのハイブリッドシステムは、これらの課題解決へも寄与できると考えています。

本実証設備を用いた水素燃焼試験については、2023年6月より試験用ボイラーで天然ガスに水素体積量5~20%の割合での混焼を開始しました。さらに、2023年6月にNEDOで採択された「熱エネルギー消費が主体の工場の脱炭素化に向けた燃焼式工業炉での水素利活用の実証」(2023年~2025年度)においては、本設備から燃焼式工業炉に向けて水素を供給予定で、実機規模での水素供給・利用実証試験を行っていく予定です。今後、各種実証試験においてIFVとHHOGの同時運転などを行い、水素供給時の水素コストやCO2発生量/炭素集約度(Carbon intensity)を評価し、安価で安定した水素供給ができる運転マネジメントシステムの構築を行っていきます。

この実証試験において、水素を「創る」の視点では、機械事業部門とエンジニアリング事業部門の経営資源を相互に活用し、さらに神鋼環境ソリューションとの連携を通じて、水素社会の実現に向けたソリューションの提供を目指します。また、水素を「使う」の視点においても、工業炉での水素利用の課題解決に向けて、素形材事業部門にて工業炉の水素への燃料転換を目指す事業者の目線で参画します。それら両方向の課題に対する両睨みの最適ソリューションを提供できるユニークな事業体として、今後も引き続き、当社グループはKOBELCOならでは技術のかけ算により、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現を目指してまいります。

ハイブリッド型水素ガス供給システムの構成

ハイブリッド型水素ガス供給システムの構成

 

ハイブリッド型水素ガス供給システム 実証設備外観

ハイブリッド型水素ガス供給システム 実証設備外観

 

水電解式水素発生装置外観

水電解式水素発生装置外観

 

中間媒体式液体水素気化器外観

中間媒体式液体水素気化器外観

 

運転マネジメントシステムの一例

運転マネジメントシステムの一例

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