高機能抗菌めっき技術「KENIFINE™」の新型コロナウイルスへの効果検証結果

2021年2月10日

株式会社神戸製鋼所

当社は、20年前に自社開発し様々な用途で実用化が進められてきた「高機能抗菌めっき技術KENIFINE™」が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因となる新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対してもウイルスの感染力を低下させる事を確認致しました。

KENIFINE™は、当社が独自に開発したニッケル合金めっき技術です。一般的な抗菌材の10倍以上高い抗菌性があることに加え、過去にはインフルエンザウイルスやSARS(重症急性呼吸器症候群)の引き金となったウイルスと同属のコロナウイルス(牛コロナウイルス※1、マウス肝炎ウイルス※2)にも抗ウイルス効果があることを確認しております。

当社では、新型コロナウイルス感染症が流行し社会問題となって以降、本技術により新型コロナウイルスに対しても抑制効果が期待できると考え、第三者機関にて効果の有無確認を目的としたステンレス鋼との比較試験を実施してまいりました。今回、従来法より厳しい条件下での評価を行いましたが、ステンレス鋼と比較してウイルスの感染力が1/1000程度になる結果が得られております。検証方法の概要につきましては以下の通りです。

当結果を受け、本技術を広く応用して頂くために、引き続き、複数の検証を行ってまいります。

効果検証概要

検査結果:
KENIFINE™処理をしたステンレス鋼は、未処理ステンレス鋼と比較して、96時間経過後のウイルス力価※3を1/35~1/3200まで低下させることが確認された。
ウイルス液:
SARS-CoV-2(3.0×107 TCID50/mL)
評価方法:
試験前にサンプルを殺菌消毒し、ウイルス液に所定時間浸漬した後、ウイルス力価を測定した(3回の実験で評価)。
従来法より比液量※4が14倍多い条件下での評価
サンプル材:
KENIFINE™(ニッケル系合金めっき材)
比較材(ステンレス鋼)
試験条件:
26℃保持
試験時間:
0~168時間

なお、本効果検証は一定の実験環境下における結果であり、実製品での効果を示すものではありません。

  • ※1 牛コロナウイルスとは、経口あるいは経鼻感染等によって、下痢を主徴とし、長引くと脱水等により衰弱し、時に死亡する牛コロナウイルス感染症の原因となるウイルスである。

  • ※2 マウス肝炎ウイルスとは、直接接触や経口あるいは経鼻感染等によって、肝炎や腸炎を発症する、マウスのウイルス感染症の原因となるウイルスである。

  • ※3 ウイルス力価とは、感染性を持つウイルス量である。

  • ※4 比液量とは、サンプルの表面積(cm2)に対する、ウイルス液の量(mL)である。

KOBELCOグループはグループ企業理念に基づくサステナビリティ経営を推進しており、社会課題の解決に挑み、新しい価値を創造し続けることが、当社グループの使命であり存在意義であると考えています。当社グループは今後もKENIFINE™技術を進化させるとともに、Withコロナ・Afterコロナの時代に人々がより安全・安心で豊かに暮らせる世界をつくることへの貢献を目指し、新たな用途開発などにも取り組んでまいります。

KENIFINE™

  • 1996年に流行した「O-157」食中毒事件をきっかけに開発されたニッケル合金めっき技術であり、一般的な抗菌材に比べて10倍以上の高い抗菌性があり、防かび性、さらにはぬめりも抑制し、暗闇でも効果を発揮し、即効性があり、長期間にわたる効果の持続性も確認出来ております。
  • 抗ウイルス性も兼ね備えており、インフルエンザウイルスや2003年に香港を中心に感染が拡大したSARS(重症急性呼吸器症候群)の引き金となったウイルスと同属のコロナウイルスに対しても抑制効果があることを確認(岩手大学農学部)しています。
  • 今回はそれに加え、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染力を低下させることも確認出来ました。
  • めっきやアルマイト処理に加え、粉末、ロールコータ成膜技術が開発されており、今後ますます適用分野の拡大が期待できる技術です。

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(注記)プレスリリースの内容は発表時のものです。販売がすでに終了している商品や、組織の変更など、最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。

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